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宝塚市議会議員 伊福よしはる 活動日記


宝塚市議会議員 伊福よしはるの日々の活動をつづります
by ifuku_yoshiharu
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自治体マネジメント向上戦略②~行政評価を通じて「お役所仕事」をなくす~

自治体マネジメント向上戦略②~行政評価を通じて「お役所仕事」をなくす~_a0084645_2315389.jpg

自治体のマネジメントツールである行政評価について

行政評価の問題点を指摘しつつ、より良い自治体マネジメントを行うためには何が必要なのか?

それぞれの自治体に、マネジメント・サイクルをいかに入れるか

事実とデータを基にした議論を行う文化をいかに入れるか

政策の質を高めるために何を行うべきか

当然、地方財政の厳しさから、行政のムダを削減することは重要。

しかし、削減一辺倒では、かえって政策の質が下がる。

2025年問題に備えて、弱者を支えることができるプロフェッショナルを今のうちから育てていかねばならない。

職員定数、多くの自治体で職員定数は厳しく管理されている。

しかし、保健医療福祉分野では、保健師や社会福祉士など専門職を増員することで、余計な行政費用が削減することができる場合がある。

講師がある市の外部評価委員を引き受けた時、重要視したのは、10年後の○○をやっていくためには、どうすれば良いのかを考えること。それが、外部評価委員の仕事だと考えた。



・削減ばかり注目が集まる行政

行政は権限ある人事や財政が査定(削減)することが仕事なので削減ばかり注目が集まる。

自治体の政策の質を上げるためには、深く掘り下げた議論が必要。

さらに、専門的な視点からの議論ないし現場の視点からの議論が重要。

・地方自治法第97条2項

議会は、予算について、増額してこれを議決することを妨げない。ただし、普通地方公共団体の長の予算の提出の権限を侵すことはできない。

議会も予算の増額修正が可能。

増額を修正するから問題の所在について深く考えるようになる。

・行政評価が広まった理由

評価によって前例と既得権(例えば無駄な公共事業、補助金)を否定。

水ぶくれした総合計画や予算をスリム化。

顧客志向、成果思考という言葉で、職員の行うべき仕事を明確にする。

日本の調書文化と結合(企画、財政、行革セクションが各担当に書かせる)

他の自治体がやるからやる(横並び意識)





◆自治体行政評価の進化モデル

A型:査定管理モデル(行政内部の管理ツールとして活用)

資源配分による管理(予算と総合計画を管理)

管理部門による統制

調書主義

・A型モデルの限界

積み上げ方式の限界(事務事業評価をいくらやっても小さなものは切れても、大きなものは切れず)

組織防衛の意識が強く働き、正直に課題を書くことができない。

行政に誤りがあってはいけないという意識から、問題を深く掘り下げない。

中央省庁・都道府県への影響がきになる。

ムダな事業を削減第一とする考え方からは、仕事の改善活動を生み出しにくい。(PDSサイクルを生みにくい)



B型:TQMモデル(職員の意識改革ツールとして活用)

現場での自律改革

個々人のレベルでの意識改革

制度や組織の慣行への挑戦


・福岡市DNA運動の試みは全国へ

DNA-できる、納得、遊び心

D:「できる」から始めよう。できない、しない理由から探さない。

N:納得できる仕事をしよう。市民の納得を自分の納得に。

A:遊び心を忘れずに。ガチガチな考え方や対応ではなく、ゆとり、人間らしさ、明るさを持って取り組もう。



B型:TQMモデルが導入しにくい理由

我が国では、A型モデル行政評価は比較的簡単に導入することができても、B型モデルの行政評価を導入することはかなり難しい。



C型:住民コミュニケーション・モデル(住民参画ツールとして活用)

情報の積極開示

評価基準作成過程における住民主権と行政との緊張関係

多元的議論と指標解釈の自由


・オレゴンベンチマーク

米国オレゴン州の戦略計画である「オレゴン・シャインズ」の①全ての州民への良質な雇用機会を、②安全で安心な地域社会、③健康的で持続可能な地域環境の3つの目標を実現するために政策の進み具合を測定するために選定。

州民1人あたり所得、雇用状況、犯罪率、高校中退率など92指標を設定。

州政府の独立計画監査機関として「オレゴン・プログレス・ボード」が設立、報告書を発表。


・日本の政策指標

オレゴンベンチマークに触発され、日本でも多くの自治体でベンチマーク型の政策指標が作られた。

これらの多くは、一見C型でありながら、実はA型にしか過ぎない。

住民自ら指標を作るのではなく、行政で達成可能な指標をかき集めて、ホチキスしただけの指標の集まりにしか過ぎない。


・総合計画への数値指標の定着


オレゴンベンチマークを契機に、多くの自治体が総合計画に数値目標を盛り込むことになり、数値指標自体は定着してきている。

・A型評価シートを使って議論


それだけでは事業の質が上がらないA型評価シートであるが、地方議会がシートを使って議論をすることで事業内容の分析が深まる。


地方議会がA型評価シートを使って議論することでC型評価になる。




・議会改革のあり方

議員報酬の削減、定数削減、費用弁償の廃止は住民にとって見えやすいし、分かりやすい。

ただ、縮小一方で議会の議論の質(民主主義の質)が上がるわけではない。

議論の質を上げるための投資や活動も必要。

勉強のための政務活動費も重要。


・事業仕分け

削減ありきの議論だけでは、日本の政策はなくなってしまう。

なぜなら、必要性を問うて、増額するような事業がでてこないから。


・C型のポイント:「学習進化」の概念

権威ある議会、委員会だからといって、その評価が絶対に正しいわけではない。

評価の結果は、行政との距離、立場、ステークホルダーによって異なる。

絶対的に正しい指標はなく、とりあえず指標を作り、目標を設定してみる。

指標を通じて、行政機関の枠を超え、議会や住民、NPOなど関係者が多元的に議論する。

C型評価は、関係者の気づきと発見、住民と行政の距離を縮めるための学習進化の道具となる。


・議員と行政職員

議員には政治的な力を与えられている。

政治的な力に頼っては、議論が深まらない場合がある。

政治的な力を使わないと事実を隠されてしまう場合もある。

政治的な力を使い分けることが必要。




D型モデル(ニュー・パブリック・ガバナンスモデル)

B型、C型 プラス

公務員の徹底したプロ意識

住民の主体的参画

多元的、分権的統治秩序


・D型はどんなモデルか?

D型モデルは、B型、C型の統合進化した理念型モデル。

日常の計画や行動様式の隅々にPDSサイクルと情報公開が組み込まれる。

○○という行政評価ツールを入れたからD型モデルが実現するわけではない。

行政評価を通じた行動様式が定着した状況がD型モデル。


・D型モデルのポイント

全員が当事者意識を持つことができるか?

公務員がプロフェッショナルとして大きな権限移譲される。

首長がリーダーとなる経営ボードは、予算の優先順位など自治体運営全体についてマネジメントを行い、基本的に各部門の長に任せる。

随時、主体的に住民が参加、発言した以上責任を持つ。

議会も要求するだけでなく、議員同士で議論を行う。






◆なぜ行政評価が形骸化するのか

・完璧な評価ツールを考えても限界がある

どんなに完璧な評価ツールを考えても、行政組織のお役所体質から形骸化しやすい


・予算の削減が第一の評価が行われやすい

確かに財政が厳しいので、ムダな事務事業を削減したいのは行政評価担当の本音。


しかし、最初に予算削減ありきでは事業担当者はやる気を失い、本音を書かない。


・予算の単位である事務事業は組織の単位


自分の組織の維持のために、都合の悪いことは書かない。

・事務事業評価のマイナスの法則

事務事業が仕事の前提
 ↓
事務事業を守る意識
 ↓
現状から目をそむける
 ↓
書くべき記述をあえてしない・作文をしてごまかす
 ↓
適当な目標数値
 ↓
形骸化した行政評価


・仕事の質を高めることも重要

予算の削減も重要であるが、職員1人1人が仕事の質を高めていくことも重要。

職員1人1人が努力すれば、役所全体ではとても大きな成果が出る。


・ある自治体の首長の嘆き

財政が厳しいため、中堅・若手の職員でプロジェクトチームを作らせ検討させた。

ところが、出てきたのは結論が新規事業の全面凍結と支出の一律カットであった。

それでは住民が納得しない。

何もしないのは楽なこと。

お金をもっと有効に使えないのか?



・成功した行政評価とは?

PDCAのマネジメント・サイクルが確立し、質の良い意思決定、政策選択がなされる。

その結果、ヒト・モノ・カネの資源が効率的に活用される。

職員の意識が変わる。

議会、住民が行政評価を通じた議論に参加する、民度が上がる。


・そもそも行政評価とは

行政の仕事の質を高めるために、

①問題を分析し、

②解決のための計画を立て、

③計画に基づき行動し、

④その結果を測定して、

⑤何か改善できることがないか考えて再計画化


・評価の視点

確かに、ムダな事業を削減することも意味がある(これは否定しない)

ムダな事業の削減は、行政評価の一断面にし過ぎず

削減一辺倒では、1~2回で壁にぶつかる

成果を上げるために、仕事を通じてどれだけ工夫したのか、仕事の質を上げれたのかも評価の重要な視点。


・それではどうすれば良いのか?

福岡市のDNA運動のように仕事を単位として改善運動をするもの1つ。

もう1つは、事務事業評価調書に仕事の質を上げる視点、改善の視点を盛り込む。


・質の高い調書を書かせる仕掛けが必要

・質の高い記述を妨げるもの

職員は、している仕事の内容を文字化する力に欠けている。

職員が気付きを得る仕掛けを作っていない。

職員がやる気を起こす仕掛けを作っていない。


・職員は、している仕事の内容を文字化する力に欠けている。分析力や文章表現力を上げるためには

勉強をして知識を整理すること。

実際に問題を分析してみること。

文章を書いてみること。

訓練することで身につけるしかない。

専門家の力を借りる。

議員も分析力や文章表現力を補うために専門家の力を借りることも必要。

その分野に詳しい人を探して知識を得ることが重要。



・ベストセラー作家がなぜ、あれだけの書籍を書けることができるのか?

常日頃から、情報をたくさん収集しているから。

それを分析し、整理している。

つまり、情報を集めることが大切。

必要なのは、職員が得意な暗記という勉強ではなく、情報収集力、分析力という、情報を噛み砕く力である。

議員こそ、政務活動費を活用し、情報収集すべきである。




・図書館レファレンスサービス

政策分析の方法として公共図書館のレファレンスサービス(調査サービス)を使うという方法がある。



・職員が気付きを得る仕掛けを作っていない。そもそも職員は仕事のすべてを知っているのか?

人は自分の本当の姿(マイナス面)を直視することを嫌う。

人は自分を愛する自己愛がある。

自分の悪い面、マイナス面を直視させられることは不快である。

いやなものはあえて無視する。

意識・無意識で気づかない。


・講師本人が第三者評価で関わった事例

調書に書かれていない重要なことがあることに気づいた。

例:市営住宅管理運営事業

①経営的な視点が全くない

施設修繕のためのお金がプールされていない。

家賃収入がすべて一般会計に繰り出されている。

今できることをせずにPFIというような将来の話をしている。

②公営住宅の使命を意識していない

③必要な投資をしていない

④問題に対して危機感がない

・担当の発想

現実から目をそむけている。

公営住宅法がある以上、余計なことを考えたくない。

予算も人も張り付いていないのだから、前例踏襲の仕事をしていればいい。

とにかく時間をやり過ごしていれば給料はもらえる。

・第三者的な視点が重要


・職員がやる気を起こす仕掛けを作っていない

評価調書作成自体は楽しいものではない。

質の良い調書を作成するには、職員がやる気が起きる仕掛けが必要。

・適切な調書の数と量

行政評価がPDCAサイクルを回し、仕事の改善により、質の高い行政を目指すのであれば評価を行う数は限界がある。

量もとにかく書かせればいいんだということで大量の記入項目を設定するのは問題。

ムダな事務事業を削減するために、すべての事務事業を網羅し、評価を行うことも意味があるかもしれない。




しかし、評価の情報が乏しかったり、事業の担当が積極的に記入しない大量の調書を誰が評価して廃止するのか?

・改善を褒める

仕事の改善を重視する評価を行う場合、改善成果の上がった課をほめることも必要。

その改善のどこがいいのか、改善を行う上での支障となった点とそれをどのようにして克服したかなどについて情報共有する必要がある。


多くの組織は「ほめる」ことができなくなっている。

褒められないから、頑張らない。

認められている、褒められているという気持ちが、人をさらに変革に向かわせる。


・事業の意義は何なのか

単純にコストの問題だけでなく、「その事業を行う意義は何なのか」を考える。

・共に考える

「そもそもその仕事は何のために行うのか?」

「現在の担当課の仕事の課題は何か?」という視点で、共に考えること。

・コストの視点

コストの視点は重要であるが、市民からみればコストだけが全てではない。

市役所が限られた時間で、やるべきことをやっているかが重要である。

こすとだけにこだわると、予算が自分の仕事の根拠なので組織防衛に入りやすくなる。

その結果、担当として変えていかなければならないことが見えなくなる。


・できるだけ客観的な議論

一方的な決めつけではなく、不利益が生じる人の立場にたって物事を考え、それでも削減が必要なものは削減する。

必要であれば増額することもあってもよい。

・新しい時代における地方議員のあり方

情報の公開による議員の評価、格付けの時代

利益誘導型ではなく、自治体変革にどのようにして貢献しているかが問われる。

・問題解決型議員を目指す

徹底的な問題の掘り下げを行い、問題の本質をつかむ。

新しい価値を提案する。

議論(反論されること)を恐れない。(単に戦うという意味ではなく、一緒に考える場をつくる)

様々な関係者との議論により問題解決(成果)を目指す。

・地域の変革リーダーとなる

問題は役所の中ではなく、現場(地域)にある。

地域コミュニティは崩壊の危機にある。

地域住民として、地域の課題に積極的に取り組む必要がある。

地についた活動から、説得力と問題解決のヒントが得られる。

・改革応援団として

組織変革に挑戦している職員、変わったことをやっている職員をほめる、はげます。

職員をおだてて働かすのも「経営」。


<まとめ>

先生が言われてたのが、行政評価のツールを入れたからと言って、ただちに役所が良くなるわけではない。

職員の意識が変わらなければ、役所は良くならない。

これは私も当たり前だと思う。

速く走るスーパーカーも、運転手が良くなければ、走らない。

しっかり経営ができるマネジメントの仕組みと、実際に仕事をする職員の意識改革はセットである。

これまで、私は意識改革の一貫として、接遇マニュアルの整備を訴え続けてきた。

その根本は、何のために役所はあるのか?

職員の存在意義は何なのか?を再考してもらうためである。

宝塚市は、事務改善運動として、お宝発見運動を続けてきた。

これは、非常に良い取り組みである。

しかし、これらの仕組み、つまり、事務改善運動、行政評価システム、人事評価など、個々の仕組みも十分ではなく、また、それぞれの仕組みが連携していないのも大問題である。

事務分掌、縦割りの弊害、これらを打破し、これからの時代に合わせた仕組みづくりが急務である。


<講師に質問>

Q:行政評価にしても、職員は事業の必要性や成果を議会にも住民にもちゃんと説明できていない。

また、説明するのが下手くそである。だから、議会や住民に行政は何をやっているのか?と突っ込まれる。


A:地方公務員の能力は、それほど良いとは言えない。また、一から文章を作成したり、それを説明する能力が乏しい職員も多い。それを踏まえて、理解してやって欲しい。職員も組織人なので、叱咤激励し、仕事をやらせて欲しい。


Q:行政評価で機能的に進んでいる都市は?

A:町田市

by ifuku_yoshiharu | 2015-08-24 23:14
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