視察の2日目の午前中は、今年また宝塚文化創造館(旧宝塚音楽学校)の指定管理者が議案としてあがってくるので、その参考となる北九州市若松区にある旧古河工業若松ビルの視察に行ってきました。
この建物は、大正8年に建設され、石炭積み出し用の商社ビルとして使用されていました。
この建物は、この地域のシンボル的な施設として地元住民に親しまれていましたが、老朽化に伴い当時の所有者が解体を検討されていました。
しかし、地元住民からの4万6000人を超える署名や7400万円を超える寄付が集まり、保存活用することになったそうです。
買取の土地代は、4000万円。上屋はタダ。
建物の耐震・改修工事に3億5000万円。
指定管理者は、旧古河鉱業ビル管理運営委員会。
メンバーは、商連の会長、まつりの実行委員長、婦人会の役員など地元の方が中心です。
元々、この建物を活用する目的が、地元のコミュニティーの施設として活用する、地元に根付く建物にする、ことなので、これが一番よい方法だろうということで決まったそうです。
その後、平成18年から指定管理者の第2期目の公募がありました。
そのときは、ビルの管理会社が名乗りをあげたのですが、選定の結果、旧古河鉱業ビル管理運営委員会になったそうです。
市からの委託費は、年間約780万円。
カフェなどの売上を入れると総収入が、1380万円(委託料含む)。
支出も同じくらいで運営されています。
地元に根ざした運営ということで、とても良い雰囲気がありました。
当日も1階では、地域の婦人会の方がコーラスを行っていました。
この光景をみて私は、昨年訪れた
東京都武蔵野市のコミュニティーセンターを思い出しました。
武蔵野市の場合も、その建物に惚れ込んだ方が、そのコミセンを喜んで管理運営されている情景を思い浮かべました。
やはり最後は、地域の方々の熱意や協力が施設管理運営には必要だと痛感しました。