宝塚市議会議員 伊福よしはる 活動日記


宝塚市議会議員 伊福よしはるの日々の活動をつづります
by ifuku_yoshiharu
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滞納処分できない自治体債権(公共料金)回収実務講座 2日目

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<第2日目>

◆債権の消滅時効
金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は、5年間これを行わないときは、時効により消滅する。

・水道料金
東京高裁の判決をうけ、総務省から、私法上の債権として、時効期間は2年とする行政解釈が示された。

・公立病院の診療債権
最高裁判決により、民法170条1号により3年と解すべきであると判示した。
(公金という側面よりも、私法上の債権という意味合いが強くでている)

・給食費
民法173条3号の学芸の教育を行う者が生徒の衣食の代価について有する債権として、時効期間は2年であると解される。

・貸付金
貸付の意思は住民であり、地方公共団体と住民が対等の立場で行う私法上の契約であるので、貸付金は私法上の債権に該当し、時効については民法の一般債権の規定が適用されて10年となると解される。

・公営住宅の家賃
賃料の法的性質については公の施設の使用料として自治法225条の規定の適用があり、自治法上の債権として、時効期間は5年であると解される(地自法236①)
なお、時効期間の5年については、民法169条にその根拠を求める見解もある。

・スポーツ施設等の施設の資料料
自治法225条の公の施設の使用料として適用があり、時効期間は5年であると解される(自治法236⑤)

・公立学校の授業料・学童保育料・幼稚園保育料
授業料も使用料の1つであると解して差し支えないので、自治法上の債権として、時効期間は5年であると解される。(自治法236①))

・奨学金
貸主は商人ではなく貸付行為は商行為ではないと解され、民事債権としての10年と解される。奨学金の借り入れ金の連帯保証債務も10年。(民法167①)

・貸付金
奨学金と同様に10年。

・し尿処理費
自治法236条1項の規定により、5年であると解される。


◆時効の管理
徴収事務(滞納整理)に従事する職員は、債権が時効によっていたずらに消滅しないように時効の管理を行い、債権を保全する努力をする必要がある。

◆不納欠損処理
・公法上の債権
市税と公課での時効の完成したものと滞納処分の執行停止により納付義務が消滅したものの2つについては、会計上の処理として不納欠損処理を行う。

不納欠損とは、すでに調停がなされた歳入が徴収できなくなったことを表示する決算上の処理をいう。

・私法上の債権
時効が満了しても、債務者の時効の援用がなければ消滅しないので、権利放棄するか、あるいは免除をしないと不納欠損処理を行うことができない。


◆時効の効力
1.市税及び公課の時効の絶対的効力(地方税法18②、自治法236②)

・時効期間が満了すると時効により消滅する。

・時効が満了したときには、時効の援用を要せず、またその利益を放棄することができない。


時効の絶対的効力として、次の効力が発生する。
①税債権は消滅したのであるから、納付請求することができない。

②納付納税義務者が時効の援用をしなくても、徴収することはできない。

③納付納税義務者が時効の利益を放棄して納付しようとしても、収納することはできない。

④誤って収納した場合には過誤納金として還付しなければならない(地方税法17)


2.私法上の債権の時効の相対的効力

・私法上の債権は、時効の援用が必要である。(民法145)

・時効の利益をあらかじめ放棄することはできないが、その反対解釈として、時効の完成後はその利益を放棄することができる(民法146)

・債務者が時効の援用をしないと、裁判所は債権が時効によって消滅したとの裁判をすることができないので、債権は消滅しないことになる。裁判外での援用についても同様である。


3.市税及び公課の時効に絶対的効力が認められる理由
市税・公課と私法上の債権の性格の違いがある。

・私法の世界は、私的自治の原則が支配する世界であり、私法の世界の法律関係は、個人の意思によって決定されて処理されてよいものである。

・公法の世界は、私的自治の原則が支配する世界ではない。公法の世界の法律関係は、客観的で画一的でなければならず、原則として個人の意思によって決定され処理されてはならないとされる。

・市税及び公課の性格上、時効の援用をするかしないか、あるいは時効の利益を放棄するかしないかという個人的な意思によって債権が消滅したり、しなかったりすることは、あってはならないという考え方が基本にある。

・市税及び公課については、債務者の意思や主張によらず、時効の効力は誰に対しても客観的で画一的でなければならないという考え方が基本にあるため、絶対的効力が認められている。

・他方、その他の債権は、実質的には私法上の契約に基づく私債権の性格を有しており、私債権の性格を有しているという点では時効に絶対的効力はない。

・その理由は、その他の債権は権力的な課徴金ではないため、滞納処分により強制的に徴収することはできないものであり、私債権に準ずるものとして、私法上の債権と同じように取り扱われるからである。


◆時効の中断の意義

・時効の意義として、
①権利(債権)を行使しないから時効が認められるだという考え方。

②義務(債務)を負うものが、自ら義務(債務)があることを承認して相手に権利(債権)があることを認める必要がある。(一定期間を経過すると立証が困難になるから)

・時効の中断とは、上記とあいいれない事由が生じたときに、それまで経過した時効期間の効力が法的に失われることをいう。

すなわち、それまで経過した時効期間はなかったものとされ、時効の中断の事由が終了したときから新たに時効が進行することを始めることをいう。


◆法令に規定する時効の中断事由

①自治法236④
納入の通知、督促は、(民法153条の規定に関わらず)時効中断の効力を有する。

②民法147
以下の事由によって中断する。
・請求
・差押、仮差押又は仮処分
・承認

請求には、以下の事項がある。
・裁判上の請求(民法149)
・支払督促(民法150)
・和解及び調停の申し立て(民法151)
・破産手続参加等(民法152)
・催告

特に「催告」は、6ヶ月以内に、裁判上の請求、支払督促の申し立て、和解の申し立て、民事調停もしくは家事審判法による調停の申し立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押、仮差押、又は仮処分をしなければ、時効の中断を生じない。(民法153)

したがって、催告を繰り返すだけでは、時効の中断はしない。(大切なポイント!)

また、時効の中断措置が時効完了予定日を過ぎていたとしても、催告から6ヶ月以内であれば、催告の効力が生じた時点にさかのぼって時効は中断していたことになる。



◆強制執行

まず、滞納処分できないその他の債権も、裁判所へ強制執行の手続きをとって強制的に徴収することができる。

強制執行とは、債権の履行がされないときにとられる債務者の財産の差押等による債権の強制的な徴収の手続きをいう。

強制執行をするためには、債務名義が必要である。


・債務名義とは、

強制執行によってその強制徴収が予定されている私法上の請求権の存在、範囲、債権者及び債務者を公に証明し、法律がこれに執行力を認めた公の文書をいう。

債務名義には、確定判決、和解調書、調停調書 などがある。


◆簡易裁判所などの手続の活用

・即決和解

当事者間で合意が成立している内容について、簡易裁判所の判断を求めて、その結果が調書に記載させることにより、訴訟上の和解と同一の効力を得る手続きである。(民事訴訟法275①)


◆支払い督促

金銭の給付等を目的とする請求について、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に、債務者に対して支払いの督促をしてくれるように申し立てる制度をいう。(民事訴訟法382)

ただし、支払い督促する場合は、債務者から訴えられて、訴訟になる場合があるので、その場合でも構わないときしかできない。


◆訴訟

・指定代理人の活用

地方公共団体の職員を指定代理人として活用すれば、弁護士に依頼する必要はなく、弁護士費用は不要となる。(自治法153①)


・議会の委任による専決処分

訴えの提起、和解、斡旋、調停及び仲裁に関することは、議会の議決が必要である。(自治法96条)

議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。(自治法180①)



<まとめ>

私債権に準ずる債権の時効期間が満了したときは、民法上の債権として、以下のように取り扱われる。

①債務者が時効を援用したときは債権は消滅するので徴収できない。

②債務者が時効を援用しなければ債権は消滅しないので徴収できる。

③債務者が時効の利益を放棄して納付すれば収納できる。

講師としては、

時効の利益を放棄した場合は別として、時効の援用の有無により、徴収したり、しなかったりするのは適切ではない。

新たに条例を制定して、時効の援用の有無に関わらず、時効期間が満了した場合には、一律に債務を免除するか、あるいは債権を放棄することを規定することを検討すべきではないか?

という意見です。

実際に、東京都や名古屋市は、債権管理条例を制定し、債権の規定に関して定めています。

その中で、時効により債権を免除や放棄する場合、専決処分で行っているそうです。



<感 想>

今回の研修は、あくまで「実務者」に対する研修です。

本来、納税や納付義務を果たしている市民と税金を払っていない市民との間に不公平が生じてはいけません。

滞納整理を担当している職員の業務の役割は、債権の『徴収の確保』と『公平性の確保』という目的を達成することなのです。


宝塚市では、現在、それぞれの債権が公金の3種類のどれにあたるのか?

またそれぞれの時効の根拠をどう決めるのか?

徴収業務をシンプルかつ効率的に行うために、債権管理条例を設置するのか?

など、債権の滞納整理に関してのマニュアル作りが早急に必要だと思います。
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by ifuku_yoshiharu | 2009-10-09 20:33
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